ナビゲーター:楠木かなえ
こんにちは!薬剤師の転職をサポートしている楠木かなえです。
今回は、「タイプ別薬剤師適職診断」で見事、自分らしい働き方と念願のキャリアを手に入れたWさんの体験談をご紹介します。
Wさんは、大手調剤併設ドラッグストアで働く7年目の薬剤師さん。日々の業務に追われながらも「患者さんとじっくり向き合いたい」という強い思いを抱えていました。
そんな彼が、どのようにして自分の適性を知り、最終的に「自分の理想の薬局を開業する」という大きな夢を叶えたのでしょうか?キャリアにモヤモヤを感じている薬剤師さんにとって、大きなヒントになるはずです!
Wさんの悩み:「患者さんとじっくり向き合いたいのに…」もどかしい日々
Wさんは薬学部を卒業後、新卒で調剤薬局に就職し、現在は大手調剤併設ドラッグストアで働いています。今年で7年目を迎え、中堅として店舗を支える頼もしい存在です。
日々の忙しい業務の中でも決して手を抜かず、パワフルに働くWさん。しかし、彼の心の中にはどうしても納得がいかない「ある悩み」が渦巻いていました。
それは、「頻繁な異動」と「スピード重視の業務環境」です。
Wさんは患者さんとのコミュニケーションを大切にしており、時間をかけて信頼関係を築くことをやりがいとしていました。しかし、ようやく患者さんと打ち解け、「実はこんなことで悩んでいて…」と深い相談をしてもらえるようになった矢先、無情にも別の店舗への異動辞令が下ってしまうのです。
「せっかく患者さんと向き合える関係になれたのに、また一からやり直しか…」
さらに、Wさんのパワフルで仕事ができる面を見込まれてか、配属されるのはいつも処方箋枚数が多い「超」がつくほどの大型店ばかり。そこでは一人ひとりの患者さんに時間をかけることは許されず、「いかに早く、正確に、多くの患者さんをさばくか」という【質より数】ばかりが求められる環境でした。
薬剤師としての強い使命感に燃え、患者さんの健康に寄り添いたいと願っているからこそ、じっくり向き合えない今の環境に強いもどかしさと葛藤を感じていたのです。
なぜこの悩みを抱えてしまうのか? -タイプ診断から分析-
そんな悶々とした日々を送っていたWさんに、当サイトの「適職診断ツール」を受けていただきました。
その結果、Wさんの性格タイプはまさに【理想を掲げる開拓者(正義感溢れる開拓者)】タイプであることがわかりました。
💡 理想を掲げる開拓者タイプの特徴
このタイプの人は、何事においても「こうあるべきだ」という高い理想の姿を追い求めずにいられません。妥協を許さず、正しいと信じた道を突き進む強いエネルギーを持っています。
また、ビジネスの適性としては「マルチに色々な業務を広く浅くこなす」よりも、「1つのプロジェクトや1つの店舗にじっくりと腰を据えて、深く育て上げていく」ことに向いています。
現場の仕事は、必ずしも薬学部で習ったような理想的な医療や、厚生労働省が目指すモデル通りに進むわけではありません。日々の業務効率や会社の利益、人員配置など、現実的な問題が立ちはだかります。
Wさんは「正しい薬剤師のあり方」という高い理想を持っているからこそ、現実とのギャップに苦しんでしまっていたのです。
また、「1つの場所でじっくり根を張って成果を出す」ことが得意なタイプであるにもかかわらず、会社の方針であちこちの店舗へ異動させられてしまうため、本来の実力を十分に発揮しきれない状態に陥っていました。
タイプ診断を知ったWさんの感想・気づき
診断結果と分析をお伝えした時、Wさんは少し戸惑いを見せながらも、これまでの自分を振り返り始めました。
実は最初、診断結果を見てもあまりピンと来なかったんです(笑)。
『理想を追い求めずにはいられない』というか…理想も何も、薬剤師の仕事ってそういうものじゃないの?患者さんのために全力を尽くすのが当たり前だよね?って。
でも、よくよく考えてみると、思い当たる節がたくさんありました。
僕は薬剤師としての責務を全うするために、誰よりも一生懸命に服薬指導をしているつもりでした。でも、急いでいる患者さんからは「話が長くて面倒だな」という顔で煙たがられることも少なくなかったんです。同僚からも「Wさんはマイペースですね(苦笑)」と呆れられたように言われることがありました。
一番ショックだったのは、僕より後から異動してきた後輩の方が、かかりつけ薬剤師の同意をたくさん獲得していたことです。「僕はこんなに熱心に声をかけているのに、どうして断られてしまうんだろう…」と落ち込みました。
この診断結果を見て、ハッとしました。結局、僕のやり方が、その店舗の客層や求められているスピード感と全く合っていなかったんです。
まさに『理想を追い求める』あまり、自分の目指したい方向ばかりを見ていて、目の前の患者さんや周りのスタッフから【本当に求められているもの】が何なのか、全く見えていなかったんだと気づかされました。
診断のアドバイスに従って、まずは「今の場所」で戦略を変える
タイプ診断によって「客観的な自分の姿」を省みたWさんは、大きな決断を迫られました。
それは、「自分の理想を貫くか」、それとも「周りのニーズに合わせるか」という選択です。
「もちろん、誰だって自分の理想をとりたいですよね(笑)」と語るWさん。
診断結果では、Wさんは「独立・開業向き」という適性も出ていました。1つの場所で自分の理想の城を築き上げる働き方が最も合っているからです。
しかし、当時のWさんは店舗の一薬剤師であり、管理薬剤師の経験すらありません。当然、薬局経営のノウハウなど皆無でした。
「今まで、僕は『会社』という大きな傘に守られながら、ただ文句を言って理想を振りかざしていただけだったんです。もし本当に自分の理想の薬局を作りたければ、まずは会社や店舗の数字を守り、経営の視点を持たなければならない。そのことに、今更ながら悟りました」
幸い、独立への適性はあると分かったものの、何の勉強も準備もせずに身一つで経営を始めるわけにはいきません。
そこでWさんは、いきなり転職や独立をするのではなく、一旦「今の大手チェーンで、今の店舗のニーズに完全に合わせた働き方をしてみる」という戦略に出ました。スピードを求められる大型店なら、いかに効率よく、かつ的確に必要な情報だけを患者さんに提供できるかをゲーム感覚で極めてみたのです。
同時に、上司との面談で「将来は自分の薬局を開業したいという目標ができました。そのために必要な店舗マネジメントを学ばせてほしいです」と率直に伝えました。
すると上司は「そういう目標があるなら、手伝いながら仕事を覚えてみたらどうか」と快く提案してくれたのです。
意識と行動を変えた結果は、驚くほど早く現れました。なんと半年後には、念願の管理薬剤師への昇進の話が舞い込んできたのです!
「社歴的には優先順位は高かったはずなんですが、今までは『加算実績』が低かったり、『協調性(周りに合わせる力)』が足りないと評価されて、候補から外されていたんでしょうね(苦笑)。やり方を変えた途端に評価されるようになって、会社という組織の仕組みがよく分かりました」
そして、管理薬剤師として店舗運営やスタッフ育成、数値管理など「経営のいろは」を必死に学んだWさん。
それから3年後、準備を整えた彼は大手チェーンを円満に退社し、ついに念願の自分の薬局開業へと漕ぎ着けたのです!
気になる開業後の生活は?
ついに自分の理想を詰め込んだ薬局を手に入れたWさん。社長としての毎日はどうなのでしょうか。
自分の理想の薬局を手に入れて本当に嬉しかったですが、最初は苦労の連続でした。
既存の薬局を居抜きで買い取る「M&A」という選択肢もありましたが、僕はちょっと大変でもイチから自分の薬局を作りたかったんです。物件探しから始まり、複雑な法律の確認、保健所や厚生局への申請手続き、そして何より一番胃が痛くなった資金繰り(笑)。
それでも、元々ある薬局を買ってしまうと、前オーナーのやり方に慣れている従業員の方ばかりで、自分の新しい理想のやり方についてきてもらうための意識改革が物凄く大変だと聞いていました。自分の理想の空間を叶えるためなら、立ち上げの苦労くらいは仕方ない!と腹を括れました。
正直言って、会社員時代に比べると「自由な時間」は増えましたが、「休み」という概念は完全に消え去りました(笑)。社長なので、休日だろうが夜中だろうが、店舗で何かトラブルがあればすぐに連絡が来ますからね。
でも、不思議と辛くないんです。会社の方針に振り回されて「自分の思い通りにならない」とストレスを抱えていた頃に比べたら、比べ物にならないくらい充実しています。
「ここは自分がイチから作った、自分の理想の城なんだ。そして、この城をスタッフと一緒にもっと大きくしていくんだ!」
そう思うと、休みがなくても全く気にならないくらい、心の底から力がみなぎってくるのを感じています!
今後やってみたいこと
最後に、薬局経営者としての第一歩を踏み出したWさんに、今後の展望を伺いました。
僕は、自分の薬局を単なる「処方箋を持ってきた時だけ行く場所」ではなく、「病気じゃなくても気軽に立ち寄れる相談型薬局」に育てていきたいんです。
健康測定機器を置いたり、質の高いサプリメントの取り扱いを増やしたり。ゆくゆくは専用の栄養相談ブースを設置して、地域の患者さんの健康をトータルでサポートできるような、そんな温かい薬局にしていきたいですね!
開拓者としての情熱を、ついに「自分の城づくり」という正しい方向へと向けたWさん。彼の目は、希望とやる気に満ち溢れていました。
楠木かなえからのメッセージ
Wさんのストーリー、いかがでしたか?
「今の環境が合わない」「理想通りにいかない」と不満を抱えている時は、もしかするとWさんのように「自分の本来の適性」と「今の働き方」がズレてしまっているサインかもしれません。
しかし、だからといって無計画に辞めるのではなく、自分のタイプを知り、一旦立ち止まって戦略を練り直すことが大切です。Wさんは「独立・開業」という目標を定め、そのためのステップとして今の会社を利用する(学ぶ)という見事な方向転換を行いました。
もしあなたも「自分は本当はどう働きたいんだろう?」「将来的には独立も視野に入れたいけれど…」と悩んでいるなら、まずは自分のタイプを知ることから始めてみませんか?
独立・開業に向けた具体的なステップやノウハウについてもっと詳しく知りたい方は、ぜひ下記のページをチェックしてみてくださいね!